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演劇部クリスマス公演

校長
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12月15日(木)の午後、恒例の演劇部によるクリスマス公演が行われた。今年度の作品は、山上祐輝さんの『少年少女の為の短編集』。インターネットで調べたところ、山上さんは和歌山県にある「りら創造芸術高等学校」の教員で、演劇部の顧問として脚本・演出・指導を担当なさっておられる方のようだ。この作品のあらすじについては、以下のような説明があった。「少年漫画、少女漫画、そして混合したストーリーを3本、オムニバス仕立てでお送りします。『少年編(普段はさえない高校生、しかし実は学園を守る正義のヒーローだった!)』『少女編(普通の少女の横に引っ越してきた転校生は、実は有名アーティスト?)』『混合編(少年編と少女編が入り混じり、あり得ない方向に!恋と地球の明日は!?)』。そして、競技種目っぽく、アナウンサーと解説者が、このお約束展開の解説をいちいち挟んでくる、コメディ感溢れる青春作品」

劇はまず舞台上手に設けられた放送席(アナウンサーと解説者がいる)の会話から始まる。ストーリー展開の案内役である。最初の『少年編』では4人の役者が登場する。少年漫画は何と言ってもヒーローの活躍だということで、ヒーローとヒロイン、敵役とその仲間といった設定だそうだ。舞台の流れにはついて行けるのだが、漫画の世界を早口の解説と会話で演じていくという内容そのものに、私自身とのギャップを感じた。これが今の中高生の好みなのかと、何とか自分を納得させながら続きを観る。次の『少女編』は、少女好みのラブストーリーの展開である。分からなくはないが、観ていてちょっとこちらが恥ずかしくなる。でも、客席前列に陣取った女子生徒たちからはぎこちない抱擁シーンに悲鳴と歓声があがる。彼女たちは存分に劇を楽しんでいるようである。また、ここでのアナウンサーと解説役の演技には感心した。最後の『混合編』では前の2つを組み合わせたドタバタめいた展開になる。でも、ここは面白いと感じた。脚本家の意図もここにあるかと思われた。2つが混合した時の矛盾や意外性がうまく笑いとなっているのである。生徒たちの演技も迫力を帯びていて感心した。

私としては昨年の『クリスマスキャロル』のような正統派が好きなのだが、今の彼らがこうした演劇に取り組んでみたいと思う気持ちもわかる。普段の自分ではない自分を演ずることに積極的に挑戦していると感じるからである。