ニュース

入学式

校長
  • 入学式
  • 入学式
  • 入学式
  • 入学式

4月4日(月)、朝からの小学校、幼稚園に続いて、午後から中学校・高等学校の入学式を実施した。中学生は第9期生、高校は第8期生の入学である。

式辞では、司馬遼太郎の『21世紀に生きる君たちへ』(朝日出版社発行)に掲載された「洪庵のたいまつ」という物語文の内容を借りて、本校の教育目標の一つである「和の精神」について述べた。

「新入生の皆さん、本校の教育目標にある『和の精神』には、他との"調和・協調"を心掛けるという意味があります。そしてそのためには、洪庵が語っているように『自分のためではなく、人のために』という思い、『名声や利益を顧みない』という心、『誰に対しても平等にふるまう』という態度が必要だと思います。 先ほどの『扶氏医戒之略』の第4条で、洪庵は、『医学を勉強することは当然であるが、自分の言動にも注意して、患者に信頼されるようでなければならない』とも言っています。勉強だけをすればよいのではなく、日常の会話や行動が正しいこと、それによって他人から信頼を受けることが大切だと言っています。繰り返しますが、これらの洪庵の言葉は決して医師だけが守るべきものなのではなく、すべての人々が守ろうと心掛けるものであると思います。司馬遼太郎は、この話の最後を、『洪庵は、自分の恩師たちから引き継いだたいまつの火を、よりいっそう大きくした人であった。かれの偉大さは、自分の火を、弟子たち一人一人に移し続けたことである。弟子たちのたいまつの火は、後にそれぞれの分野であかあかとかがやいた。やがてはその火の群れが、日本の近代を照らす大きな明りになったのである。後世の私たちは、洪庵に感謝しなければならない』と結んでいます。今いる人々に、そして後世の人に"ありがとう"と言ってもらえる人になることを君たちに目指してほしいと思います。」

開校8年が過ぎ、9年目となる本校である。西川理事長先生が挨拶で述べられた、「伝統とは、受け継ぐものだけのものではなく、作り出すもの」という言葉を胸に刻んで、彼らと共に良き伝統を作り上げていきたい。