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M・Y登美ヶ丘講演

校長
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2月25日(木)、第15回となる登美ヶ丘講演を開催した。今回は、ご縁があって、柔道家の野村忠宏さんをお招きし、「折れない心」というタイトルで講演いただいた。世界で活躍し、偉業を成し遂げられた方ということもあり、中高生だけでなく、M1・2生や多数の保護者の方も参加しての講演会となった。

登場前に、野村さんを紹介するDVDを上映した。オリンピック3連覇、その後の怪我との戦い、そして引退を賭けた最後の試合という内容であったが、そのひたむきさや格好良さに生徒たちもたちまち心を奪われたようだ。そしていよいよご本人の登場。爽やかで軽やかで、かつ存在感のある方である。マスコミにも多く出演なさっていることもあり、話し方も滑らかで親近感がある。生徒たちもどんどん惹きつけられていく。

小学生の頃は柔道だけに取り組んだのではなく、他のスポーツや勉強などいろいろなことに頑張ったこと、高校柔道部の監督をしていた父親も、柔道の基本と礼儀を学び、柔道が好きになっていけば、やがて自分から努力をするようになっていくだろうと、試合で負けても叱ることはなかったという話を伺い、子育てや教育の考え方に通じるものを感じた。

次に、中学生になって初めての試合の1回戦で女子に負けてしまい、そこからより真剣に柔道に取り組んだこと、にもかかわらず高校・大学に入ってもなかなか勝てなかったことなどの話を通して、"頑張っても頑張っても結果が出ないことがある"という課題に取り組んだことを話された。

その解決が見えてきたのは大学2年の時の細川伸二コーチの「本気で強くなりたいなら意識を変えろ」という言葉だと言う。「一本一本を集中してやる、限界までやる、自分が限界だと思った時にかすかに残っているエネルギーをふり絞ってもう一度やる、それが試合での集中力と執念に繋がる、そのような意識を持て!」と教えられたそうである。その2年後、野村さんはアトランタオリンピックで金メダルを獲得した。時間が来て、その続きの話ができないことを野村さんは残念そうにされていたが、私たち聴衆にとっては大きな励ましと勇気をいただいた60分であった。最後に語られた、「頑張るのは自分、だが、その中で出会った人から多くの助けをもらった。自分一人で強く偉くなれるのではない」という言葉も印象に残った。