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【古川】奈良先端大による理科実習

校長
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9月5日(土)、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科の荒川先生、舩冨先生と大学院生の皆さんが来校し、「先端大アカデミックボランティア」として本校のM3生(中1)の希望者に理科実習を行っていただいた。

この日のテーマは「光糸電話を作ってみよう」。まず大学院生が、「音が伝わる仕組み」や「音を伝える媒体」について説明してくださった。空気が媒体となって私たちは自分の発する音声を相手に送り、それを私たちは耳で受け取って言葉として認識する。また、通信技術の一般的なものとしては、電気が媒体となって音声が相手や多くの人に伝わるようになっている。糸電話も送話器の振動が糸に、そして受話器に伝わって音声が届く。そして今、新しい技術として、長距離に、多くの情報を、より速く届けられる手段として「光通信」がある、といった内容だった。

説明は分かりやすく、生徒たちもうなずいて聞いていたが、それよりもとにかく目の前に並べられた材料で、早く「光糸電話」を作ってみたいという気持ちが勝っているようだった。そして、いよいよ製作が始まった。材料は、プラスチックコップ、マドレーヌ用アルミカップ(先生曰く、この材料が最も重要だそうだ)、紙コップ、モノラルイヤフォン、太陽光パネル付電卓。

まず、プラスチックコップとマドレーヌ用アルミカップを組み合わせて送話器を作る(アルミカップの厚さと光り具合が出来を左右するそうだ)。次に、電卓を分解して太陽光パネルだけを取り出し(上手に組み立て直せば電卓として使えるということである)、それを受信器となる紙コップにセットする。そして、紙コップから出た太陽光パネルの導線と耳に当てる部分を切り取ったイヤフォンの導線をはんだで接着して(はんだゴテを初めて扱う人がほとんどで、火傷をしないようにと繰り返し注意を受けた)、受信器の完成となる。

ここまで見てきても、私にはこの「光糸電話」を実際にどう使うのかが分からなかった。実演が始まった。用意されたのは懐中電灯とラジカセ。送話器に向かって話すとアルミカップが震える。そこに光を当てて、その震えた光を受信器に反射させると、太陽光パネルが光を受け取り、電気にしてラジカセに送り、スピーカーから話し手の声が聞こえるというものであった。

最も苦手な物理の話ゆえ、たどたどしい説明ばかりになったが、参加した生徒たちは真剣で楽しそうな顔で取り組んでいた。よい体験になったと思う。先端大の皆さん、ありがとうございました。