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【古川】国公立大2次試験開始

校長
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2月25日(水)朝の、本校のプロムナード沿いにある樹々の写真である。

正門に近いところには、雄々しいくすのきがある。昨年卒業した高校3期生(中学1期生)が卒業記念に植えたものである。誰が置いたのか、信楽焼の狸が根元に飾ってある。少し進むと、紅い梅の花が咲いている。開校時に植えたものでまだまだ大きくは育っていないが、この季節にほっとする温かさを放っている。さらにプロムナードを進み、Youth棟にある桜の樹を見た。まだまだ蕾は黒く堅い。桜は、華麗な衣装をまとわぬ露わな姿で、今日は誰もいないY4(高3)教室を見上げていた。

昨日まで2次試験対策のために多くのY4生が登校していた。その彼らがいよいよ本番に臨んでいる。くすのきを植えてくれた昨年の卒業生で再チャレンジしている者もいる。今日の静けさと樹々それぞれの状態が、彼らの緊張感と意気込みと不安を表しているようにも思う。そして、ただ願うのはこの堅い桜の蕾が無事に膨らみ、見事な花を咲かせてほしいということである。

今年度も、国語科の先生と協力して、Y4の2次対策指導に加わらせてもらった。担当したのは大阪大学文系志望者の添削指導である。その折に扱った評論文の書き出しに次のような文があった。「人間には『どうしてよいかわからないときに、どうしてよいかわかる』能力が潜在的に備わっています。」(内田樹『日本辺境論』より、大阪大学2011文学部出題)。国語第1問でこの言葉を投げかけられた受験生は"嫌味か!"と怒鳴りたくなった者がいるかもしれないと思ったものだ。

問題文を弄ぶようで申し訳ないが、「神様、今日の本校の受験生には、どうかこの『どうしてよいかわからないときに、どうしてよいかわかる能力』を大いに与えてください」と祈りたい気持である。