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【古川】第14回登美ヶ丘講演

校長
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2月12日(木)に「第14回登美ヶ丘講演」を実施した。開校以来続けている中高生対象の行事で、各界で業績を上げられた方を講師に迎え、生徒の教養を深めると共に、今後の学習に取り組む動機づけとなることを期待して、年2回程度で開催している。

今回は、京都大学大学院 教育学研究科 心理学臨床講座 准教授の大山泰宏先生を迎え、「大人になる前に気づいておきたいこと:臨床心理学者からのメッセージ」というテーマで講演いただいた。「知能と記憶力、そして感受性が最も優れている中高生世代は、最も不安定になりやすい年齢でもある。生(性)・老・病・死といった人生の最も困難なテーマについて考える時期であるのに、それらのことについてまともに向き合い話し合ってくれる大人は少ない。ネット上でそれらが語られることはあっても、限られた興味や視野の中でのコミュニケーションであり、実際に他者と向かい合うことは難しい。直面しているテーマを知ること、他者と話し合い共有できること、大人になった時に子どもたちを温かいまなざしで見ることができるかを考えることが、君たちが今を生きるために必要だ」と大山先生は語られた。

講演後、「共有と共感は違うのですか?」と質問した生徒の言葉が印象に残った。「共有」とは何かを一緒に抱え持つこと、「共感」とは相手に対して一緒に心が揺れること、互いに成り立つ場合もあるが、共有しないで共感だけでは時に残酷なことにもなる、本当の意味での共感のためには、共有が必要であると先生は説明された。心したいと思った。