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春日若宮おん祭講話

校長
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2月24日(水)、春日大社権禰宜の荒井清志さんに来校いただき、P3生(小3)が、国指定重要無形民俗文化財である「春日若宮おん祭」についての話を伺いました。荒井さんは、春日大社宝物殿の学芸員も務めておられ、お持ちいただいたパンフレットには「春日若宮信仰の広がり」という論文も執筆なさっておられる方です。

荒井さんはまず、昨年行われたおん祭が880回目、つまり880年もの間、中断なく続いている伝統行事であることを語られました。そして、この祭の起源は、平安時代の後期に、天変地異や飢饉を防ぎ、天下泰平・五穀豊穣・万民和楽を願うために、時の関白藤原忠通が呼びかけたものであり、「祭政一致」の考えに基づくものであると説明されました。また、先のお願いを聞き入れてもらうために、若宮様をお旅所に招き、様々な芸能を披露して、若宮様に喜んでもらうためのお祭だとも言われました。

少し難しい話にP3生たちはやや戸惑うところもあったようですが、続くお旅所でのお供え物(神饌)の話では、実際の物を見ることができ、途端に目が輝き始めました。お米を青黄赤白に染め分けて飾る染御供(そめごく)や、榧(かや)の実や大豆を高く盛って貼りつけたものなどに興味津々でした。また、荒井さんが舞楽のことに触れられ、持参した神楽笛(かぐらぶえ)と龍笛(りゅうてき)を吹き比べられた時には耳を澄まして聴き入っていました。

最後に荒井さんは、880年の伝統を、その時代その時代でいろいろな人が関わり、受け継いで、この祭が維持されていること、中国や朝鮮、インドやペルシャなどの各国の昔の文化がこの祭の中に込められていることなどを語られて、小学生にもぜひこの祭に興味を持ち、機会があれば見に来てほしいと締めくくられました。

自分たちの学校がある奈良市に、このようなスゴイ祭があることを知って、P3生たちは自分たちが偉くなったように誇らしげな顔になっていました。最後に学年の代表者が荒井さんへの感謝を述べて、講話が終了しました。今年の若宮おん祭が楽しみです。