幼小保護者教育講演会
1月29日(金)、本校の幼稚園と小学校P1・2の保護者の方を対象に「教育講演会」を実施しました。
奈良学園大学保健医療学部の中川晶教授と、同学部助教・助産師の岡いくよ先生にお越しいただき、「子どもの声に耳を傾ける ~子どもの世界観を分かち合うために~」というテーマで、講演というよりは、寛いだ雰囲気でお二人の会話を通して、母親と乳幼児や小学校低学年の子どもとの関わり方などについての話を聞かせていただきました。
まずは、個人の絵画展を開かれるほどの腕前と経験を持つ中川先生の絵の紹介や、岡先生が主宰なさっている「助産院マタニティガーデン」での胎児や乳児との関わりの話から始まりました。
それに続いて、先生方からお母様方に、「子どもの話が聴けていないと感じる場面はありますか。人の話をどのように聴いていますか」という問いかけがありました。こちらの都合も考えずに、子どもが余計なことを言ったり、質問してきたりする時に、きちんとそれを受け止められているか、子どもに向き合えているかということについての問題提起です。
次に、先生方は、「相手の物語とその世界観を知るための4つの質問」ということを説明されました。「1+1はいくら?」といった教師的な質問や「いつ、どこで、なぜ?」といった刑事のような質問は「常識的な世界」での質問で、それだけで完結してしまうことが多いですが、「それからどうなったの?」といった探検隊的な質問や「もし~ならどうなるの?」といった"もしもの質問"ができれば、相手(子ども)の世界観の中に入って話を継続することができ、子どもの理解が可能になり、子どもも安心して親と会話することができると説明してくださいました。知識を尋ねたり、詰問調に問うてみたりするのではなく、「この子の世界観、この人の世界観はどんなんやろ?と考えて、質問の仕方を変えてみる。いつもと違うことをやってみることで、相手や子どもを理解できることがありますよ」ということを先生方は教えてくださいました。
やや難しい点もありましたが、お二人の優しいお人柄と楽しい会話の中から、話を聴くためのヒントを教えていただいた90分間でした。中川先生、岡先生、貴重な話をありがとうございました。