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【古川】P4和紙作りを学ぶ

校長
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5月28日(木)、P4(小4)社会科の「わたしたちの奈良県~特色ある地域の様子~」という学習で、奈良県吉野町国栖の和紙作りについて学びました。

ゲストティーチャーとしてお越しいただいたのは、手漉き和紙の製造・販売をなさっている福西さんと、国栖の里観光協会で伝統文化の普及に取り組んでおられる奥谷さん。同じ奈良県内といっても、吉野町から京都との境にある本校まではかなりの距離があり、遠路はるばるお越しいただいたことにまず感謝の言葉を述べました。

クラスごとに行われた授業では、「和紙作りが1300年も続いた秘密を探ろう」という学習課題を元に、各班から、伝統ある手漉き和紙作りの技を途切れさせてはだめだという内容の発表がありました。「では、あなたたちがそこの家の子どもだとして、あなたはその和紙作りを引き継ぎますか?」と担当の教員が皆に尋ねます。発表したばかりの彼らは、もちろん"引き継ぐ"に手を挙げる者が多数でしたが、中にはためらいながら"引き継がない"に手を挙げる者もいました。教員は、「"引き継ぐ・引き継がない"を決めて、その理由をワークシートに書いてください」と指示します。そして、その後それぞれの意見の発表がありました。

この間、私は教室の後ろで子どもたちの様子を見ている福西さん・奥谷さんの様子を見ていました。いきなり"継ぐ・継がない"の話で怒っておられないかなという心配があったからです。でもお二人はニコニコしながら子どもたちの様子を見守っておられます。"継がない"を選択した子どもたちの「申し訳ないんですけど、やっぱり自分の将来は自分で決めたいからです」という答えに納得した顔もしておられました。

授業の後半はお二人のお話です。福西さんからは、「国宝を修復するために使われる、1000年以上長持ちする丈夫な和紙です。いいかげんなものは作れません。この仕事を続ける人は少なくなりましたが、いろいろな和紙の使い道も工夫しながら、伝統を守っていこうと思っています。皆さんの応援に励まされました」との言葉をいただきました。

また、奥谷さんは、「伝統ある技術を地域の人たち皆で支えていこうとしています。皆さんもぜひ協力してください」と述べられました。私にとっては、物であれ、人であれ、"本物"に触れるという体験が、子どもたちをひきつけ、真剣にさせるということを学ぶ授業でした。