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大仏書道展

校長
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10月28日(日)、「第9回大仏書道展」の入選作展示会を見るために、東大寺大仏殿西回廊に出かけた。この書道展は、NPO法人奈良21世紀フォーラムが主催するもので、「課題(テーマ)にそった作者の想いが豊かに溢れ、メッセージ性 (発信力)があること」、「意欲的・創造的で、書の魅力と新しい書の無限の可能性を感じさせる作品であること」、「年齢に応じた若者らしい清新溌剌とした作品であること」、「墨や毛筆の特性を生かした作品であること」という4つの審査基準からも分かるように、書道経験や私たちが一般に思う上手下手を問うのではなく、書き手の自由な思いが溢れた、個性豊かな作品が選ばれるようである。全国の高校生や大学生1109点の応募作品から100点の入選作が決まり、本校のY2・Y3(高1・2)生7名の作品もその中に入れていただいた(ここではY3生の作品を掲げた)。

秋晴れの奈良の朝、西回廊に入ると最初に県知事賞や奈良市長賞などの特別賞を受賞した作品が並んでいる。書について詳しい訳ではないが、言葉と気持ち、さらに筆の動きや墨の色や濃淡がそれぞれの作品にうまく当てはまっているように感じる。奥に向かって歩を進め、本校生の作品を探してみる。5つのテーマから、本校生は、「大仏様に日本の未来を祈願する」または「大仏様にあなたの未来を祈願する」を選んだ者が多かったようだ。上手な字かと言われればそうではないように思う(失礼!)が、じっと見つめているとじわじわ味が出てくるようでもある。また、書き手の生徒自身のことを考えれば、彼(彼女)がこういう字を書くのか、こういう言葉を選ぶのかと思いを馳せることができる。この書道展の趣旨にある通り、その時の思いを、その時の気持ちのままに書いたのであろうと想像できるのである。それゆえに、1000点以上の中からこれらを選ぶのはとても難しいだろうと、審査にあたった方々の苦労がしのばれた。

書道教員の指導によって、多くの作品を応募したこと、7点の入選を得たことが認められたのか、本校は団体賞(奨励賞)をいただくことができた。言葉と向かい合う時間を持ち、それを書き表すことで自分の心と対話する機会を、多くの生徒たちに持ってもらいたいと思う。