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奈良文化高校「戴帽式」

校長
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9月16日(金)、本校の系列校の一つである奈良文化高等学校衛生看護科2年生の「戴帽式」が同校で行われ、来賓として私も参加させていただいた。2年生の2学期となり、いよいよ病院での実習が始まるという段階でこの戴帽式が行われ、医療の現場に立つという自覚と責任を生徒たちに持ってもらいたいという目的で実施されている。実際の現場では、機能性及び衛生上からナースキャップを被る習慣はなくなりつつあるが、看護師の象徴としてのナースキャップが持つ意義は依然として大きいようである。

式は、照明が消され、舞台中央の大きなキャンドルに火が灯されるところから始まった。一人ひとりの名前が呼ばれ、先生からナースキャップをつけてもらい、各自が小さなキャンドルを持って壇上に並ぶ。会場には、ヴィヴァルディの四季が流れていた。戴帽式を暗闇の中で行うのは、クリミア戦争の時にナイチンゲールが夜毎にランプを持って負傷者を見回ったことに由来するそうである。

80名全員が壇上に揃うと、皆で「ナイチンゲール誓詞」を朗読する。「われはここに集いたる人々の前に厳かに誓わん」と始まり、「任務を忠実に尽くす」、「毒や害のある悪い薬は使わない」、「任務の水準を常に高める」、「任務において知り得た秘密は決して洩らさない」、「医師を助け、患者のために身を捧げる」という誓いを宣言する。キャンドルの火に照らし出された生徒たちの顔が皆真剣である。ほぼ毎年参加させてもらっているが、この時の彼女たちの強くたくましい声にはいつも感動を覚える。

戴帽生たちが降壇し、席に着くと、学校長の式辞が行われた。その式辞の中で紹介されていた2種類の貴重なバラの話が気になった。一つは「アンネのバラ」、もう一つは「フローレンス・ナイチンゲールのバラ」である。詳細は省くが、その2種類のバラが校内に植えられているというのである。式終了後に、教えてもらってそれらのバラを見に行った。「アンネのバラ」は残念ながら花が残っていなかったが、「フローレンス・ナイチンゲールのバラ」は、大きく開いてはいたが、真っ白な花を残していた。優しく労りのある白さに思えた。病院での実習は、たぶん楽しいことより、つらいことの方が多いと思うが、それを乗り越えて、立派な看護師に向かって頑張ってほしい。