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北京にて

校長
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機会があり、5月16日(水)~19日(土)の3泊4日で中国の北京を訪問した。北京には初めて、中国には37年ぶり(青島・上海・南京などを訪れた)の訪問である。中国という国の広大さや歴史の流れ、急速な近代化の様子はある程度把握はしていたものの、首都北京に立って改めて目の当たりにしてみると、そのスケールの大きさ、人や車の多さ、人々のたくましさに圧倒されるばかりであった。

訪問の主な目的は、日本との学校交流を希望する中国の学校関係者や現地の旅行社との話し合いであった。近隣の国である日本の文化を学ぶことが、今の中国の学校で意識されているようである。話をする中で分かってきたことは、日本の環境問題に対する取り組みやそれらを学校でどのように教えているのか、さらにはそれらに対する日本人の意識がどのようなものであるのかということを中国の学校関係者は考えておられるという点であった。急速な近代化の中で、これからの生き方や暮らし方を若い人たちに学んでほしいという思いがあるのかもしれない。

まず衝撃を受けたのは、車の量である。これが大気汚染の原因であることも知ってはいたが、日中でも夜でもとにかく恐ろしいほどにたくさんの車が走っている。そして、自分の目的を果たすために少しでも早く行こうと追い越しや車線変更が繰り返される。最近の日本ではあまり耳にすることのないクラクションの音があちこちで響いている。しかしながら、互いの運転手の顔を見ると、皆平気な表情である。こうしたことが日常であると共に、他人の行為にいちいち腹を立てていても始まらないという思いなのかもしれない。彼の地の人々のたくましさを感じた。

スケールと人の多さに驚いたのは、天安門広場及び故宮博物院、そして北京最大の皇族庭園である頤和園を訪問した時である。とにかく広く奥深い。それでいてどこにも中国国内や海外からの観光客がいる。特に、中国国内からの団体客については、その昔の日本の農協団体ツアーを見る思いであった。車と同じかもしれないが、こうした団体客も大声でよくしゃべり、活発に動き回る。とにかくバイタリティがある。周囲に気を遣うより、自分と一族郎党のために一生懸命生きているという感じが漂ってくる。「強く生きてるな」、「小さなことでくよくよしていないな」と思わされるのである。こうした点から考えると、日本と中国の中高生が交流を持つことは、将来の彼らにとって互いに大きな意味があると思った。本校での今後の国際交流活動のヒントにしていきたい。