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◇2025-10-27 (月)

奈良学園公開文化講座 第82回「グローバル時代とはなんだろう?」

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2025年10月23日、志賀直哉旧居にて、奈良学園大学のオチャンテ・カルロス准教授による公開講座が開催されました。
テーマは「グローバル時代とはなんだろう?」です。

グローバル化や移民問題が頻繁に取りざたされる現代において、異文化共生のあり方はますます重要な課題となっています。
そのなかでオチャンテ先生の講演は、非常に新鮮な切り口と示唆に富んだ内容で、聴講者の皆さんも終始熱心に耳を傾けていました。

それは、先生の軽妙な語り口だけでなく、ご自身の出自やアイデンティティそのものが「異文化共生」を体現しているからでもあります。
先生の母方の曽祖父は「ムライ」姓を名乗り、かつて日本からペルーへ移民した方でした。
一方、父方は「メスティーソ(混血)」で、アンデス高地の先住民族との血を引いています。

そして運命のめぐり合わせのように、ペルーの政情が悪化した際、1991年にムライ家の子孫たちは再び日本へと渡ることになりました。
しかしながら「ジャパニーズ・ドリーム」の現実は甘くはなく、移民直後には孤立して、多くの困難に直面されたといいます。
それでも、オチャンテ家はカトリック教会・日本語学校・民族音楽活動などを通じて日本社会とのつながりを広げ、
結果的にこの地に根を下ろすことになりました。

一般的に、グローバリズムや移民問題は、ある社会の「内部からの語り」または「外部からの語り」として対立的に語られがちです。
しかし、オチャンテ先生の語りは「内部でも外部でもない(あるいはそのどちらでもある)」という独自の立場から紡がれ、
その平易な語りのなかにも、先生の生きてきた証と重みが感じられました。

なお、オチャンテ先生は、ハイメ・タカシ・タカハシほか著『ペルーから日本へのデカセギ30年史』の第5章を執筆されています。
ご関心のある方は、ぜひご一読ください。

(学校法人奈良学園 経営情報部 tnana)

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