学校法人奈良学園

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◇2025-10-20 (月)

志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会《奈良のモダン》を開催

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 奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、特別講座 白樺サロンの会「奈良のモダン」が開催されました。
講師は奈良県立美術館 学芸員の松川綾子先生です。


松川先生からは、令和8(2026)年に奈良県立美術館で開催予定の展覧会「奈良のモダン〜美術をめぐる人々」についての紹介を交えながら、奈良を訪れた近代の文化人たちの足跡についてお話しいただきました。


 江戸末期創業の旅館「對山樓(たいざんろう)」は、明治初年には奈良屈指の高級旅館として多くの文人客が宿泊したといわれています。
講座では、実際に残された宿泊台帳の記録をもとに、訪れた人物たちの名が次々と紹介されました。
そこには、岡倉天心やフェノロサ、狩野芳康、横山大観といった美術関係者のほか、伊藤博文や山形有朋などの政治家、高島屋創業の礎を築いた呉服商・飯田新七など、時代を彩る方々の名前が記されていました。


 また、35年の短い生涯に多くの名句を残した俳人・正岡子規が、東京へ戻る前に奈良を訪れ、この對山樓に宿泊して多くの句を詠んだことも紹介されました。
松川先生は、こうした滞在が奈良の風景や文化と出会いが、いかに後の文学や美術に影響を与えたかを、丁寧に解説されました。


 奈良において「モダン」と呼ばれる美の感性が花開いたのは、大正から昭和初期にかけてのことといわれています。
特にこの志賀直哉旧居のある高畑周辺では、欧風建築の意匠やサロン文化を背景に、芸術家や知識人たちが自由に語り合う時代が訪れました。


 旧居に訪れる海外からの来訪者が増えているようです。
かつて文人たちが集ったサロンの精神が、いま再び国境を越えて息づいていることを感じます。

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