




◇2025-04-23 (水)
奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、奈良学園公開文化講座第78回「痛みの不思議」を開催しました。講師は奈良学園大学保健医療学部リハビリテーション学科教授の柴田政彦先生です。
まず、痛みが身体の危険を教えてくれるものであると捉えると、命に関わる危険な痛みや危険信号ではあるが生死には関わらない痛みと危険信号ではない痛みなどがあることを教えてもらいました。
痛みの種類や痛さの度合いは個々の人で異なり、またその原因を特定することは非常に難しいそうです。
またその痛みが、身体に深刻な影響を及ぼす可能性があるのか、そうでないのかを判断することも難しいとお話しいただきました。
今の人類は文明が飛躍的に進歩していますが、現代人の身体は未だに1万年前の環境で生きていくのに都合よくできている状態を継承しているそうです。
つまり外的に襲われ大きな怪我をすることで、危険信号として痛みを感じますが、内臓の方は鈍感で、致命的な内臓疾患が進んでも、痛みに鈍いそうです。
痛みを緩和するペインクリニックに関して、日本では痛みを我慢するという気風もあり、終末期の患者に対しても比較的安全に痛み緩和が処方されていますが、アメリカでは痛みを取るための医療麻薬の過剰摂取が原因で、死因の上位にあるそうです。
それは、痛みは悪魔の仕業であるという思想があり、安易に痛み緩和をすることが日常化していることが原因のひとつだそうです。
最後に柴田先生の患者さんで、一般の人よりも痛みを感じ辛い無痛症の方との対談の動画が紹介されました。それを通して、痛みが安全に生活をする上で、どれだけ大事かということを教えてもらいました。
ところで、旧居のサンルームと接する窓際には大原館長が手彫りした如意輪観音像が、セミナールームを見守るように展示されています。如意輪観音は、人々の心身の痛みを癒す力を持つと信じられているそうです。