◇2025-05-21 (水)
まず、源氏物語を読み進めたこれまでのあらすじを確認しました。
光源氏の誕生から幼い頃のエピソード、12歳で元服をした頃の人間関係などについて振り返りました。
次に本日から2回に分けて紹介していく予定の「帚木巻」を、読み進め始めました。
「帚木巻」は「ははらぎ」と読むそうで、「箒(ほうき)」に通じ、日本語の「ハ」が「ワ」(生活には「ファ」)となり「ウ」と変化する過程(ハ行転呼音)について話してもらいました。
「帚木巻」では光源氏は中将となり、左大臣の娘、葵上となかなかうちとけることができずにいる様子が描かれていました。
「雨夜の品定め」といわれ、男性貴族たちの女性談議の場面が多く登場するそうです。
その冒頭部で「光る源氏、名のみことしう、言い消されたまう咎(とが)多かなるに」と書かれています。
「光」と「消され」が、縁語となっているそうです。
縁語という手法は、源氏物語全体を通して各所に見られる紫式部独特だそうです。
また光源氏が男性貴族の恋愛体験を聞く中で「品高く生まれぬれば」(上流)の女性は自然とその様子が格別で、「中の品」(中流)の女性はそれぞれの気質や趣向が見え、下層の女性は格別関心がないと教えてもらったようです。
ただし、源氏物語に登場する上中下の各層のランクは、宮中での話であり、決して一般の人を指しているのではないようです。
当時、宮中では、外の一般人は「人に在らず」といった意識があったようです。
源氏物語に記述されたさまざまなエピソードの中には、当時の習慣などを読み取ることもできるようです。
その中で、ある娘が「数日間、風邪気味で極熱の草薬を服したので」臭くなり、気づかれないように人前から逃げる話が出てきます。
極熱の草薬とはニンニクのことだそうで、熱冷まし効果も含め、その臭いに対する様子が、現在と共通しているところが、興味深いことを教えてもらいました。
源氏物語には、こうした思わず笑えるような要素も楽しめるようです。