◇2024-11-19 (火)
奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、奈良学園公開文化講座第74回「歌い継ぐ『日本の心の歌』~箏曲の調べとともに~」を開催しました。
講師は奈良学園大学人間教育学部元准教授の瀧明知恵子先生です。また、本日は筝を生田流筑紫会飛梅司大師範の篠原歌鶯さん、生田流筑紫会大師範の塩崎歌鶯路さん、尺八を都山流竹琳軒の神谷仟山さん、ピアノ演奏を齋藤優衣、コーラスをハートウオーミングアンサンブルの皆様に来ていただき、それぞれの楽器や演奏についてお話しをいただきました。さらに、元奈良学園大学学長の梶田叡一先生にご挨拶いただきました。
また、篠原さんから箏のお話しの中で『六段』を、神谷さんから尺八のお話しの中で『岩清水』を演奏していただきました。続いてハートウォーミングアンサンブルの皆様に『荒城の月』を歌っていただきました。
次に瀧明知恵子先生からは、磐之媛命の仁徳天皇への恋心を題材とした歌曲『平城山』を歌っていただきました。瀧明知恵子先生から、わらべうた、唱歌、童謡の成り立ちや時代的な背景など、それぞれの違いについて教えていただきました。その中で、唱歌を英訳しているグレッグ・アーウィン氏が、「童謡に込められた『日本の心』は、米国人の私にも深く響いてくる。日本の童謡は美しい。世界に誇れる歌だと思う。それに気づいていないのは日本人自身ではないだろうか」と語ったことについてなど、お話しをしていただきました。
ハートウォーミングアンサンブルの皆様による『里の秋』『村祭り』の後、「どうですか、次は一緒に歌いませんか」の瀧明知恵子先生からの言葉に、受講者の皆さんと全員で『もみじ』を合唱しました。
次に箏曲・尺八の調べ『流れ』を演奏していただきました。水の流れ行く表情を美しく表現したその演奏に、旧居をたまたま訪れた訪問客も足を止めて聴き入っていました。最後に、全員で『赤とんぼ』を合唱しました。
志賀直哉は、厳格な父親のイメージがある一方、子どもたちと一緒に過ごす時間を楽しんでいたようです。「小僧の神様」や「清兵衛と瓢箪」などには、子どもの視点や感覚が活き活きと描かれており、童謡や子どもの文学と共通するような世界観が垣間見えます。