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◇2024-03-27 (水)

奈良学園公開文化講座 第67回《『源氏物語』を読む―桐壺巻①―》を開催しました

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3月27日(水)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、奈良学園公開文化講座第67回「『源氏物語』を読む―桐壺巻①―」を開催しました。講師は奈良学園大学人間教育学部准教授の鍵本有理先生です。


 本日のテーマ『源氏物語』は、NHK大河ドラマ『光る君へ』で現在放送されていることもあり、多くの受講者にお集まりいただきました。また旧居を見学に訪れた観光客の方も、しばし足を止めて講座が行われている部屋を覗き込まれている様子も伺えました。


 まず源氏物語全体の構成や主要な登場人物などについてお話しいただきました。また源氏物語の中で描かれている主要登場人物の家系や人間関係、物語の背景となった平安京時代の内裏図について教えていただきました。特に登場人物については『光る君へ』の配役を例にわかりやすく説明いただきました。


 今回は、源氏物語(全五十四帖)第一部の冒頭、光源氏の誕生と桐壺更衣の死についてのくだりの読み解きです。鍵本先生に用意していただいたテキストは、上段に原文、連動して下段に現代文が記され、受講者にもわかりやすい内容となりました。前半は帝(みかど)が桐壺更衣を寵愛し、その子息として誕生した光源氏を第一子である皇子に増して可愛がった様子が描かれているようです。やがて桐壺更衣が病を患い、没した状況を、直接的な表現ではなく、まわりの状況の変化を読む中で感じさせる手法などは、源氏物語特有の表現法であると言えるようです。


 源氏物語の時代の帝が住まう内裏は、役人や多くの女官の住まいが庭を囲むように配置され、それぞれ渡り廊下で行き来できるような構造になっています。どの場所から眺めても庭の情景やその向こうに広がる自然の風景を愛でることができるようになっているそうです。このような住まいの環境から、歴史に長く残るさまざまな詩歌や物語などが創られたのでしょう。


 旧居の2階からは若草山、春日山、御蓋山などが眺められ、その麓には桜や楓など季節の移ろいを感じさせる花々や木々を愛でることができます。きっと志賀直哉も、この風景を眺めながら、長く心に残る多くの作品を執筆し続けたのでしょう。

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