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◇2023-11-20 (月)

志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会《明治時代:奈良の美術界》を開催しました

  • 志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会《明治時代:奈良の美術界》を開催しました

 11月20日(月)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、特別講座白樺サロンの会「明治時代:奈良の美術界」を開催しました。
講師は美術史家・愛知県美術館学芸員の平瀬礼太先生です。


 冒頭に、現在においても奈良県には京都や東京のように、公立の美術学校が存在しないのか、その歴史的な経緯についてお話をいただきました。


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 奈良には古来より素晴らしい世界に誇れる美術作品が存在し、工芸品という観点で見れば、長い歴史に育まれた作品が残されています。
ところが近代以降で、次に時代を牽引するような新しい美術が奈良の地から生まれていない現状があるようです。
これは奈良に若い美術家が育つ環境がないことが大きな要因だと思われ、そうした危惧を踏まえて、明治時代から美術学校を設立する動きがあったそうです。
例えば「日本美術の淵源と呼ばれる奈良の地に美術学校の設けなきは不都合なり」などという発言が、当時の新聞等に掲載されているようです。
また、奈良における美術学校は、ここ旧居のある高畑町や佐保村法蓮、奈良奉行所跡(後の奈良女子高等師範学校、現奈良女子大学)など、何度も設立しようと試み、候補地も転々と移り変わったそうです。


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その度に、地理的な問題や場所独特の事情があり、実現しなかったようです。
それ以降、しばらく美術学校の設立についてはあまり表には出てこなかったようですが、昭和4年の帝国議会の中で「奈良に美術学校建設に関する件」と題した建議書が提出されたそうです。
しかしながら、未だに奈良県内には公立の美術学校が無いのが現状だそうです。
最後に明治時代の奈良の美術界に関する主要な人物の紹介をしていただきました。


 旧居のサンルームに差し込む陽の光と影を眺めていると、芸術家でなくとも創作意欲を掻き立てる空気に満ちています。


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 志賀直哉が一時期、画家を目指したと言われていますが、今なら美術学校の存在に依存することなく、奈良の環境の中で育った芸術家たちが、先進的な作品を生み出すに違いありません。

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