学校法人奈良学園

ニュース & トピックス
ニュース & トピックスニュース & トピックス

ニュース & トピックスニュース & トピックス

◇2023-10-30 (月)

奈良学園公開文化講座 第64回《志賀直哉生誕140年記念 稲村雑談 ―孫が語る志賀直哉像―》を開催しました

  • 奈良学園公開文化講座 第64回《志賀直哉生誕140年記念 稲村雑談 ―孫が語る志賀直哉像―》を開催しました

 10月30日(月)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、奈良学園公開文化講座第64回「志賀直哉生誕140年記念 稲村雑談 ―孫が語る志賀直哉像―」を開催しました。
今回は志賀直哉生誕140年を記念して志賀直哉の孫である山田裕氏と、我孫子市白樺文学館の学芸員稲村隆氏を講師にお招きし、トークイベントという形で行われました。


20231030_002.jpg


 山田氏は、志賀直哉について、YouTubeでも広く発信されておられ、隣室のサンルームに臨時設置された椅子も満席になるほど関心を持たれた多くの受講者が参加されました。
山田氏はここ旧居で志賀直哉の五女としてお生まれになった田鶴子さんの長男でいらっしゃいます。
講座では志賀直哉と幼少の頃の山田氏が写った写真や、当時の風景、生活の様子などを紹介していただきました。
志賀直哉は非常に動物好きで、谷崎潤一郎から頂いたという大きな犬と散歩する写真も見せていただきました。
当時、荻窪の別荘で交流のあった文化人などのお話もしていただきました。
さらに志賀直哉が行った飲食店や旅館などを実際に山田氏自身が巡り、その頃のエピソードを交えながらお話をいただきました。
東京日本橋の「蛇の市」の店名や、奈良の料理旅館「江戸三」の名物メニュー「若草鍋」などの名付け親が志賀直哉であったそうです。
また、代官山の「小川軒」は、志賀直哉が最初の客であったそうです。
山田氏はお孫さんとして志賀直哉の「赤い風船」などの作品に登場されています。
我孫子での暮らしと奈良での暮らしの違いについてのお話もいただきました。
我孫子では志賀直哉は子どもに対しては非常に厳しい父親であったそうです。
一方、奈良に移り住んでからは、美術への興味に目覚め、画家を目指し小説家廃業を宣言したこともあったそうです。


20231030_003.jpg


 近年は若い人の文学本離れが顕著で、趣味が文学本読書だと言うと「オタク」だと思われることもあるようです。
その流れに合わせて、文豪のキャラクターアニメが生まれるなど、時代に沿って文学の存在意義も変化しつつあるということをお話いただきました。


20231030_004.jpg


 爽やかな秋風が心地よく吹き抜ける満席のセミナールームの窓際に、大原館長が手彫りされた仏様が展示されています。
しばしの風も、今日のお話に乗せて140年の時の流れを運んで来ているようです。

▲ページトップ

Copyright (C) Naragakuen. All right reserved.