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◇2023-10-16 (月)

志賀直哉旧居特別講座白樺サロンの会《奈良に受け継がれる仮面と芸能》を開催

  • 志賀直哉旧居特別講座白樺サロンの会《奈良に受け継がれる仮面と芸能》を開催

 10月16日(月)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、特別講座白樺サロンの会《奈良に受け継がれる仮面と芸能》を開催しました。
講師は奈良県立美術館学芸員の三浦敬任先生です。


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 本日は、奈良県立美術館で開催されています「仮面芸能の系譜―仮面芸能のふるさと奈良―」展(2023年9月30日~11月12日)の展示内容に沿ったお話をいただきました。

 最初に、桜井市の纒向遺跡から出土した木製仮面や、天理市の清水風遺跡出土の人物絵画土器、さらには縄文時代まで遡れば、鼻曲がり土面などのお話をいただきました。
こうした先史の時代から、すでに仮面が作られ、それをおそらく儀式や舞踏などの芸能活動に活用されていたようです。

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 また平安時代には、すでに廃れたとされている伎楽(ぎがく)ですが、室町時代に入ってから作られた伎楽の仮面も残されており、近くは明治4年に伎楽が行われていた記録と、その時に復元製作され舞台で使用した伎楽装束の写真を見せていただきました。

 さらには雅楽の聖地とも言われている氷室神社の南都楽所のお話をしていただきました。
そうした神事儀式的な背景を踏まえて、芸能としての猿楽や田楽、能楽が生まれたそうです。

 今に残る追儺(ついな)面や翁(おきな)面についても、どこか滑稽で、見て楽しむ芸能としての意味が強くなったそうです。
特に桜井市の談山神社には、芸能の神でもある摩多羅神(またらじん)の仮の姿を象徴すると言われている翁面が保存されており、かつては能楽師によって翁舞が奉納されていたそうです。

 今回の奈良県立美術館での展示会では、仮面に加え、能楽の衣装や文書など、貴重なものが公開されているそうです。


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 旧居のサンルームにあるテーブルの上に、ピンク色の八重のコスモスが飾られています。
コスモスは秋の到来を知らせる花として、わが国では「秋桜(あきざくら)」という名称で呼ばれていました。

 秋桜を英語などと同じく「コスモス」と当てて呼ぶようになったのは実は比較的近年で、山口百恵さんの歌「秋桜」に、作詞作曲者のさだまさしさんが「コスモス」と読ませたことから始まるそうです。

 まさに、芸能の中から生まれ、日常に定着した文化のお話と、「秋桜」の当て字読み名が日常化したこととに共通するものがあるようです。

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