学校法人奈良学園

ニュース & トピックス
ニュース & トピックスニュース & トピックス

ニュース & トピックスニュース & トピックス

◇2023-10-02 (月)

奈良学園公開文化講座 第63回《看護の職業的自由と自律への歴史物語》を開催しました

  • 奈良学園公開文化講座 第63回《看護の職業的自由と自律への歴史物語》を開催しました

 10月2日(月)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、奈良学園公開文化講座第63回「看護の職業的自由と自律への歴史物語」を開催しました。
講師は奈良学園大学保健医療学部教授の西薗貞子先生です。


20231002_002.jpg


 本日は、看護師の活動と社会的位置付けについて、歴史的経緯を辿りながら、教育という観点でお話をいただきました。

 看護の「看」は、「手」と「目」で構成されている文字で、文明が発達するまでの5世紀前後の社会では病気を家族や身近な人々が支えていました。

 やがて、キリスト教国においては修道院が貧困者や病人を収容し、看病する役割を果たしたそうです。

 また、日本においては奈良時代になると、医を職とする看病僧が、家族に代わって看護を行ったそうです。
例えば奈良の東大寺は、ペストが大流行した時に、感染者を看病する施設として建造され、さらに疫病撲滅を祈願するために大仏の建立が進められることで、多くの人が仕事も得ることができるようになったそうです。


20231002_003.jpg


 現在の病院につながる施設としては、15世紀に創設された病人や貧しい人々の受け入れを目的とした建物、フランス・ボーヌのホテル・デュー「神の家」だそうです。
そうした施設を主体となって運営していたのは、いわゆる看護師たちであり、後にビジターと言われる現在で言えば、医師がそこを訪れて治療をする形が確立されたようです。
現在も多くの国の病院では、医師はビジターと呼ばれる訪問医師が大半で、常勤医師は救急医療を担う医師に限る場合が多いそうです。

 また、日本のように、医師が病院を直接経営するといったことも比較的少ないと教えていただきました。

 日本では、開国以来、専門知識を持った医師が医療現場を仕切り、看護師はそれをあくまでも補助する役割だという認識があるようです。

 また社会における男女の意識的地位の差も、看護師に対する認識に影響しているようです。看護師と医師は、役割の異なる別の専門分野の職業人であるという認識が、今後日本でも定着していくと教えていただきました。

 近代看護の歴史の中で、フローレンス・ナイチンゲールと、日本ではあまり知られていない看護師メアリ・シーコールについてもお話いただきました。


20231002_004.jpg


 ところで旧居の2階の窓に、皮を剥いた柿が吊るされています。
秋が深まる頃には、甘い干し柿が出来上がります。
干し柿は不足しがちな栄養素を含み、毎日食べることで血圧の上昇も防げるそうです。

また、旧居の庭には抗酸化作用があり代謝を促進し体から毒素を外に出すと言われている
ドクダミ草が生えています。
 
 身近な生活の中に、病を遠ざけ健康を守るものが、たくさんあるのですね。

▲ページトップ

Copyright (C) Naragakuen. All right reserved.