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◇2023-07-17 (月)

志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会《魅惑の演劇、演劇の魅惑》開催

  • 志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会《魅惑の演劇、演劇の魅惑》開催

 7月17日(月)、奈良学園セミナーハウス志賀直哉旧居にて特別講座「白樺サロンの会」を開催しました。今回のテーマは、「魅惑の演劇、演劇の魅惑」です。
講師には、関西学院大学教授・東浦弘樹先生をお迎えしました。


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 冒頭に、先生がフランス文学の研究をするために渡仏され、そこで出会った演劇に関わる先生や世界中から来た友人とのエピソードについてお話をいただきました。
国際紛争が引き起こす深い悲しみや人種問題など、メディアからでは受け取れないことが実際には多くあるようです。


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 講座では、他人を理解する為や、自分自身の人生に意味を与える為など、人には物語が不可欠であることを教えていただきました。
その中でも、物語の表現手段として、演劇が最古のものとしてあるそうです。
小説が主流になるためには、一般の人の識字能力はもちろん、それを本にするための印刷技術が確立するのを待たなければなりません。その点、演劇は、場があれば古代からさまざまな物語にテーマを織り込んで演じられていたようです。

 また、近年は映画が物語を表現するための手段として大きな地位を獲得しているようです。映画は、映像技術を通した演出により、観客に大きな驚きを与える(センス・オブ・ワンダー)ことができます。

 演劇は映画に比べ舞台演出には限界がありますが、目の前で俳優が演じるのをリアルタイムで鑑賞しながら、想像力に訴えかけます。
また、映画は時間的な制約なしにいつでも鑑賞することが可能ですが、演劇は、その日その場にいる観客にしか観ることができません。
その答えとして、「目の前で起こることの重要性。それが得られるものは演劇しかない」と、増田雄氏の言葉の引用からお話いただきました。
自分自身について深く向かい合う機会が少ない中、演劇はその数回しかない機会を何度でも経験させていくれることを教えていただきました。


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 旧居の庭には、今、紫陽花(アジサイ)が満開です。
アジサイは別名(地域によって異なりますが)、ナナバケと呼ばれています。
その時々の気候の変化や雨のPHによって、開花した花が色を変えていくことからこの呼び名がつけられたそうです。
まるでアジサイが季節の移り変わりという舞台を、心揺らめいて色を変えながら鑑賞しているかのようです。

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