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◇2023-07-03 (月)

奈良学園公開文化講座 第62回《喪葬儀礼から見る中華圏の人々の家族観》を開催しました

  • 奈良学園公開文化講座 第62回《喪葬儀礼から見る中華圏の人々の家族観》を開催しました

 7月3日(月)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、奈良学園公開文化講座第62回「喪葬儀礼から見る中華圏の人々の家族観」を開催しました。
講師は奈良学園大学人間教育学部准教授の山田明広先生です。


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 本日は、台湾でのケースを例に、中華圏における喪葬儀礼の習慣について、お話をいただきました。
 中華圏では主に、儒教式の喪葬儀礼が行われているのですが、同時に道教式、並びに仏教式の死者供養の儀礼も取り入れられているそうです。
それは、臨終から納棺、埋葬に至るまで、あらゆる喪葬儀礼の場面で、中華圏特有の特徴が見受けられるようです。
特に臨終(死亡)の直前、つまりまだ存命な時に、死が近づいたと判断した家族が臨終のための寝台に本人を移動させ、息が引き取るのを家族で見守るという習慣があるそうです。
さらに、息を引き取ると、直ぐに死人用の布団を掛け、死者の口に硬貨を含ませ、同時に報喪(死者が出たことを通知)などを表示するなど、葬送への準備を慣習に則って行います。
また、地域や葬送の規模にもよるそうですが、葬送の儀に合わせてトランペットやトロンボーンの音楽隊、あるいはアクロバットグループがやってきたりすることもあるそうです。
特に、大往生を遂げられた方の葬儀においては、めでたいこととして赤い敷布などで葬送の儀の会場を飾り、祝うという習慣があるようです。
葬儀にあたって、黒一色で鎮痛な空気を演出する日本式の葬儀とは、随分と違います。
また、ご遺体を、比較的長い期間、家で祭り、家族と共に過ごすもがり(殯)の習慣も根強く残っているようです。
殯は、かつて古来日本で行われていた葬儀の方法だそうです。


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旧居の池には、ハス「蓮」の蕾が水面から顔を覗かせています。
日本での仏教式の葬儀ではハスの花が日常的に使用されますが、ハスは故人の魂の成長と浄化、無私と慈悲の心、そして浄土への到達を願う象徴的な意味を持つそうです。

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