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◇2023-03-27 (月)

奈良学園公開文化講座 第59回《人形浄瑠璃の歴史と魅力》を開催しました

  • 奈良学園公開文化講座 第59回《人形浄瑠璃の歴史と魅力》を開催しました

 3月27日(月)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、奈良学園公開文化講座第59回「人形浄瑠璃の歴史と魅力」を開催しました。講師は奈良学園大学人間教育学部人間教育学科 准教授の川端咲子先生です。人形浄瑠璃の成立と変遷について講義をしていただきました。


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 人形浄瑠璃は義太夫の語り、三味線の演奏、三人の人形遣いが一体となって演じる伝統芸能です。物語を語って聞かせる形態の源流は、琵琶法師が語り歩いた平家物語(平曲)にまで遡ります。やがて普及が進んだ三味線や人形文化と合流して、古浄瑠璃が誕生しました。

 17世紀に義太夫節を確立した竹本義太夫の竹本座と、その弟子が開いた豊竹座はライバル関係となり、工夫を凝らして演技や演目を発展させていきました。この時代、竹本座でいくつもの浄瑠璃を執筆したのが近松門左衛門です。


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 全盛期を迎えた人形浄瑠璃は、舞台構成や人形遣いの面でも変遷していきました。一体の人形を一人で操作する一人遣いから、複数の人形を同時に演技させる技術が発達し、時には七体もの人形を操ったといいます。

 その後、手や足、顔の表情など細かな演技を分担するようになり、三人遣いが定着しました。大立ち回りなどの見せ場では、特別大きな人形を登場させることもありました。

 人形浄瑠璃は一度衰退しますが、その後、植村文楽軒が文楽座を興し、これが今日人形浄瑠璃が「文楽」とも呼ばれる由来となりました。


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 講義の後半では、奈良市史の記録から、当時の人々にとって人形浄瑠璃がどのような存在であったかを考察しました。奈良では大仏の再建に伴って芝居屋敷が繁盛したそうです。また、『妹背山女庭訓』など、奈良が舞台となる浄瑠璃の演目についても解説していただきました。

 今年4月には国立文楽劇場で『妹背山女庭訓』や、近松門左衛門没後300年忌として代表作『曽根崎心中』が公演されるとのことです。

 大勢の方にご参加いただき、たくさんの質問があがる活発な会となりました。


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 旧居の庭では春の盛りを迎え、水仙をはじめ多くの花が咲いています。付近をご散策の際はぜひお立ち寄りください。

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