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◇2022-10-03 (月)

志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会《毘沙門天像の成立と展開》を開催しました

  • 志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会《毘沙門天像の成立と展開》を開催しました

 10月3日(月)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、特別講座白樺サロンの会「毘沙門天像の成立と展開」を開催しました。講師は奈良女子大学文学部准教授の佐藤有希子先生です。


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 毘沙門天(びしゃもんてん)は四天王の一人であり十二神将の一人とされています。毘沙門天が、北インドから中央アジア、中国、朝鮮半島、日本などの地域を通って辿ってきた7世紀から13世紀に至る長い歴史的な道を紹介していただきました。

 元々インドでは貴人の姿で描かれ、五穀豊穣を招く財宝の神として崇められたそうです。やがて武装をした武神となり、兜跋(とばつ)毘沙門天は北の方角を守る神として、楼蘭からシルクロードを通り、日本へと伝わったようです。ちなみに「とばつ」という言葉については、毘沙門天が纏う長いコートの名から来ている説や、かつて西域に存在し、毘沙門天が出現したと言われている兜跋国(とばつこく)から来ている説など、諸説があるそうです。
 また、毘沙門天は四天王として祀られる時は多聞天(たもんてん)と呼ばれていることもあり、二者が同一であることを教えていただきました。日本における毘沙門天の信仰については、空海や最澄とのかかわりについてもお話いただきました。

 毘沙門天は武神であることから、武人たちの守り神として信仰が拡大したそうです。一方では、元来の毘沙門天が担っていた五穀豊穣神としての性質も受け継がれ、商売繁盛や金運・開運・厄除など、現世利益を授ける七福神のひとりとして信仰されていると教えていただきました。


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 セミナールームのサンルーム側の窓際には、志賀直哉旧居の大原館長が木彫りした如意輪観音像が展示されています。如意輪観音は意の如く人々を救うと言われています。毘沙門天のお話を伺って、そして如意輪観音を拝見して、人は大きな力で常に守られているのだということに気づきました。

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