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◇2022-06-20 (月)

6月の志賀直哉旧居

  • 6月の志賀直哉旧居

 梅雨に入り、志賀直哉旧居の池には純白のスイレン(睡蓮)が開花しています。
スイレンは学名を「Nympha(ニンファー)」、つまりギリシア語の水の女神「ニンフ」に由来し、確かにスイレンの花は、さながら池の水面に浮かぶ清らかな女神のようです。


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またスイレンが和名でヒツジグサ(未草)とも呼ばれています。
その名は未(ヒツジ)の刻に花を開き、夕刻には水中に隠れ睡る(ねむる)ことから「水蓮」と漢字名がつけられたと江戸時代に書かれた『大和本草』に紹介されています。
ただ、ヒツジグサと言えるのが日本固有の種で、現在、目を楽しませてくれているほとんどが外来種のスイレンだそうです。

 ところで、志賀直哉や武者小路実篤、木下利玄、正親町公和、細川護立が中心となって立ち上げた雑誌『白樺』では、後期印象派(ポスト印象派)の作品を数多く紹介していました。
後期印象派の画家が描いた作品と言えば、クロード・モネの『睡蓮』が思い浮かびます。


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『白樺』の記事の中に、志賀直哉、武者小路実篤、里見弴、山脇信徳がモネとも交流のあった美術商・林忠正邸を訪れた時に、モネの『睡蓮』を見たことが記録されています。
仮に、志賀直哉が高畑町のこの邸宅の庭を設計するにあたり、モネの絵をきっかけにスイレンの花を咲かせていたとすれば、モネの心の中のスイレンのある池の風景を、時を超えて身近に感じざるを得ません。


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 今、旧居の庭には華やかなオレンジ色のグラジオラスの花が咲いています。
花の散ったツツジ(躑躅)や、足元のスギゴケ(杉苔)も、緑の色が深みを増し、暑さの厳しい真夏が近づいてくるのを感じます。

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