学校法人奈良学園

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◇2022-01-24 (月)

1月の志賀直哉旧居

  • 1月の志賀直哉旧居

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1月22日、今年も若草山で山焼きが催されました。
毎年、1月の第4土曜日に行われるこの催しは、旧居の2階の8畳客間から春日大社のある北西の方角に望むことができます。
奈良のこの地に居を構えていた志賀直哉は昭和9年の夕刻、すぐ正面の若草山の炎の明かりを眺め、「枯草を焼き新たな芽吹きをうながす野焼きであるとともに、世界の平和を願う行事でもあります」と日記に記しています。
若草山の山焼きは、東大寺と興福寺の領地争いを焼き払う目的で始まったとか、若草山山頂の鷲塚古墳の鎮魂のために江戸時代から行われた行事であるといった、さまざまな説があります。
今の様に夕刻から山焼きが始まったのは、明治33年の2月11日(紀元節)が最初と言われ、また昭和21年から山焼きと共に花火が打ち上げられ、奈良の代表的な観光資源となっています。


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寒い季節はまだまだ続いています。
旧居の庭の池に続く敷石の道を歩くと、さまざまな草木が深緑の葉を凍りそうな冷えた風に揺れています。


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その中で、梅の木の枝の蕾が膨らみ始めているのを発見します。
梅と言えば、菅原道真が「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」と歌い、流されていた太宰府に呪力で梅が咲いたと言われています。
そしてその梅は、1000年後の今も、「飛梅」と名付けられ、太宰府天満宮の境内で、毎年開花しています。
それほどの力があるとされる梅の花が、まもなくあたたかい季節を呼び込んでくれるに違いありません。


1月に入り、旧居を訪れる来場者は増えています。
また、近隣のお客様だけではなく、東京など、遠いところからも来られているようで。
なかなか収束しないコロナ禍で、旧居を訪れ、かつての文人の魂に触れたいと願うのでしょうか。

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