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◇2021-12-20 (月)

12月の志賀直哉旧居

  • 12月の志賀直哉旧居

すっかり花の気が失せ、オモト(万年青)とナンテン(南天)、そして中庭のクロガネモチ(黒鉄黐)の木の赤い実意外は、深緑と焦茶色の葉や枝が揺れる乾いた風景の師走を迎えた志賀直哉旧居の庭です。


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師走と言えば、年の瀬に学校の先生たちが走り回るほど忙しい月であるというイメージがあります。
ところがそうではなく、かつては僧侶(師)が各家を年最後の先祖供養と、来る年の安寧を祈るために、町中を駆け回る月であるというのがその語源だと言われています。
しかしさらに調べてみると、平安時代には「師走」という言葉の語源については議論があり、すでに諸説存在していたようです。
12月と言えば、1914年に京都に移り住んでいた志賀直哉は武者小路の従姉妹であった康子(さだこ)と婚姻を12月に結んでいます。
康子が華族女学校を中退したことや再婚者であることを理由に、志賀直哉の父は結婚に反対し、父との対立を深めることとなります。
志賀直哉の作品の中にさまざまな形で登場する父との対立というモチーフは、結婚を機会により強くなったようです。


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これからますます寒さが厳しくなる季節となりますが、旧居の庭の梅の枝には、すでに来春の開花に向けて、花芽が僅かながら膨らみ始めています。
お茶の木にも、やがて新芽が芽吹くであろう枝の先の小なこぶが見受けられます。
まだまだ先のことですが、すでに木々たちは次の季節の準備をしているようです。


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ところで、志賀直哉にとって家族を持ったこの年は、寅年だったようです。
来年は志賀直哉が結婚をした年から数え、9回目の寅年を迎えようとしています。
2022年が素晴らしい年でありますように、すべての人に幸あらんことを心よりお祈り申し上げます。

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