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◇2021-10-25 (月)

志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会《近代奈良の異才 森川杜園の芸術》を開催しました。

  • 志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会《近代奈良の異才 森川杜園の芸術》を開催しました。

10月25日(月)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて白樺サロンの会《近代奈良の異才 森川杜園の芸術》を開催しました。
講師は奈良県立美術館 学芸員の松川綾子さんです。

11月24日(日)まで奈良県立美術館で開催されている特別展『生誕200周年記念 森川杜園展』に合わせて、森川杜園の生涯や作品の魅力、後世への影響などを解説していただきました。


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森川杜園は1820年に現在の奈良県奈良市に生まれ、幕末から明治にかけて活躍した彫工です。13歳から絵と狂言を学び、その後奈良人形(一刀彫)の制作を開始しました。奈良人形は若宮神社の祭礼に用いられる装飾に起源を持つ木彫りの人形です。狂言師でもあった杜園は、『福の神』など能の演目を題材とした名作を数多く制作。面を活かした表現と緻密で華麗な彩色を特徴としていました。


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優れた観察眼で彫られた動物像も多数制作し、特に春日大社の使いである鹿は重要な題材となりました。作品サイズは3センチ程度の根付から数メートルの彫像まで多岐にわたります。後半生では、当時の文化財保存政策や博覧会の盛り上がりを背景に、正倉院の宝物をはじめとする名宝を木彫りで再現する模造作品に力を注ぎました。


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杜園は日本の変革期を生きた職人であり、その作品は宗教・芸術・産業とさまざまな側面を持っています。そのため近代美術の中では取り上げにくい存在でもありました。現在開催中の『生誕200周年記念 森川杜園展』では杜園と交流のあった彫工たちの作品も展示されており、次世代への影響を垣間見ることができます。参加者の中にはすでに特別展へ足を運んだ方もおられ、講演後は展示作品について質問が挙がっていました。


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この日は雨が降っていました。お足元の悪い中お越しいただきありがとうございました。
志賀直哉旧居では「白樺サロンの会」と題して月1回、公開講座を開催しています。詳しくはこちらをご覧ください。

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