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◇2021-07-31 (土)

7月の志賀直哉旧居

  • 7月の志賀直哉旧居

志賀直哉は多種多様な分野の人々との交友関係を持っていました。
ここ旧居にも、日本の現代文化の基礎を築き上げた著名な人物が訪れ、現在はセミナールームとなっている食堂からサンルームを通して、庭を眺めていたかも知れません。
そうした人々が、時間を超えて今、私たちと同じ空間に集っていたかと想像すると、感慨深いところがあります。

例えば志賀直哉が親しく交流していた文人で言えば武者小路実篤、谷崎潤一郎、尾崎一雄、阿川弘之など列挙するときりがありません。
また文人だけではなく安井曾太郎や高田博厚など洋画家、彫刻家から政治家、書道家、陶芸家、あるいは多様な分野の学者たちが志賀直哉と親しく語り、時には激論する日々を送っていたそうです。

志賀直哉の小説に特徴的な人間関係を深く刻んで表現する趣は、こうした交友関係の中から編み出されたものであるのかも知れません。

現在、志賀直哉旧居は、奈良学園セミナーハウスとして活用されています。
ここでは、日本文学や西洋文学はもちろん、歴史、哲学、心理学、芸術、教育、科学など、既存の分野を超えた多彩な内容の講座が行われています。
また、中高生や小学生の茶道教室をはじめ、研究発表のためのワークショップなどにも利用されています。


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「リベラルアーツ」という言葉があります。
日本語では「一般教養」と訳されている言葉ですが、これは古代ギリシアで生まれた概念で、偏った知識から解放し分野を超えて学ぶことを以て、人がよりよく生きることを目指していたそうです。
志賀直哉が活躍していたのも、セミナーハウスとして活用されている現代も、ここ旧居はリベラルアーツを実践している場所だと言えます。


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旧居の庭には、灼熱の太陽の中で唯一、オニユリが咲いています。
オニユリの花言葉のひとつは「賢者」です。
過去、現在、そしてこれからもずっと。
旧居で出会う賢者の知恵に触れていただきたいと思います。


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