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◇2021-07-31 (土)

奈良学園公開文化講座第47回《中華圏の「お盆」の行事―台湾の現状とその起源を中心に》を開催しました。

  • 奈良学園公開文化講座第47回《中華圏の「お盆」の行事―台湾の現状とその起源を中心に》を開催しました。

お盆の時期を目前にした7月31日(土)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、奈良学園公開文化講座第47回《中華圏の「お盆」の行事―台湾の現状とその起源を中心に》を開催しました。
講師は奈良学園大学人間教育学部准教授の山田明広先生です。


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まずは先生から日本のお盆(盂蘭盆会)についてのお話をしていただきました。
お盆は私たちの日常生活の中で年中行事のひとつとして定着していますが、先生のお話を伺っていると、案外、知らないことも多いことに気づきました。

続いて台湾でのお盆を例に、中華圏でのお盆の風習について教えていただきました。
日本のお盆と最も大きな違いは、日本のお盆は先祖供養を目的としているのに対し、中華圏のお盆は、孤魂(ここん)つまり無縁仏を供養するために行われる行事だと教えていただきました。
また、紙灯籠に灯りをつけて川に流し、お盆に帰って来た先祖の魂をあの世に送り返す「精霊流し」の行事は、私たちにとっては馴染みがあります。
ところが中華圏では、「放水燈」と称して、海や川などで亡くなった無縁仏を迎えるための儀式として行われているそうです。
また日本でのお盆は、仏教行事として定着していますが、中華圏では、道教、釈教、仏教の儀式として自治会や市場などが主体となって行われています。
先生が台湾で写真や動画撮影されたお盆の祭祀の様子を、プロジェクターで見せていただきました。


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その他、日本と中華圏と、同じ言葉でも、まったく違った概念で理解されているものをいくつか紹介いただきました。
例えば「中元」は、中華圏では私たちが犯した罪を清めるために供養する期間を意味であるそうです。
お世話になった人や会社に、真心を伝える贈答品とは違いますね。

旧居の池には、お盆の時期を迎え、蓮の葉が水面から顔を覗かせています。
あと1ヶ月もすれば、花芽が伸び、いくつもの薄ピンクの花が極楽浄土の絵のような風景を創り出してくれます。


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去年の蓮の実の枯れ枝に、シオカラトンボが羽を休ませていました。
小さな命が夏の光の中で、生きる喜びを味わっているかのようでした。

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