学校法人奈良学園

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◇2021-04-19 (月)

最近の志賀直哉旧居(4月)

  • 最近の志賀直哉旧居(4月)

4月に入っても、今年はなぜか気温が低い朝が続きましたが、ようやく寒さも緩み、春めいた季節が訪れた感じがします。

この時期に開花するツツジ(躑躅)や藤の花も、いよいよ本格的に旧居の庭を彩っています。
藤の花は旧居の玄関にも生けられ、訪れる人々に、本格的な春の季節の喜びをお伝えしているようです。
ツツジは志賀直哉の、『赤城にて或日』(1929年の作品)に登場します。
その書き出しに「最初に咲くのがよく赤城躑躅と云つて東京の縁日などで堅い蕾のまま枝を賣つて居る、あの躑躅、それから其次に咲くのが此邊にある躑躅に近いもので、色も種々(いろいろ)で随分美しい。それから最後に咲くのが殆ど山一杯、何處にもある小さい灌木の躑躅」と3種類のツツジについて記されています。


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また春らしい庭の風景の中で、カエデ(楓)の花を見つけることができます。
瑞々しい緑の新葉の中に埋もれた、小さなプロペラの形状をしたカエデの種子の羽の形が見て取れます。
カリン(花梨)の木の枝にも、花弁を落とした後に、次の季節に実に育つ、雄しべの痕跡がまだ残る小さな膨らみを発見します。


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また旧居の庭には、ドウダンツツジ(灯台躑躅)やジュウニヒトエ(十二単)、キランソウ(金瘡小草)など、近くでよく見ると、とてもかわいい花が春の陽光を受けて、笑顔を見せているかのようです。


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やがて旧居の緑も濃さを増し、夏色の風景に徐々に移り行くことでしょう。
志賀直哉旧居の庭の風の中で、忘れていた季節の移ろいを感じるのもひとつかも知れません。

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