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◇2020-11-11 (水)

近代文学講座後期第5回を開催

  • 近代文学講座後期第5回を開催

11月9日(月)、セミナーハウス・志賀直哉旧居にて「近代文学講座 ―文学表現の諸相― (後期第5回)」を開催しました。講師は京大以文会会員の植村正純先生です。


本日の講座は本来、3月23日(月)に開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う延期により、10ヵ月余りを隔ての補講開催となりました。


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桐野夏生と武田砂鉄の対談記事から、文学の分類の風潮が「純文学」と「エンタメ(娯楽)文学」の二分化されていることへの懸念についてお話していただきました。この傾向は文学だけではなく、あらゆる事にAかBかを問われる傾向にあるそうです。


背景となったグローバリズムに基づく共通性や普遍性の日常化、あるいは自己責任という言葉による自由の意味の歪曲についても、さまざまなトラブルの原因ともなっていることをお話していただきました。


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次に、植村先生が執筆された文学随想『言葉との再会』の中から、別れの言葉についてお話をいただきました。


「ADIEU(アデュー)」「さようなら」「ご機嫌よう」「いざ、さらば」「GOOD BY」「FAREWELL」などの言葉に含まれる情感的な意味や使われ方を、小説や放送で使われた例を示しながらお話していただきました。


『星の王子さま』にまつわるエピソードや、太宰治と志賀直哉、六條篤に関するお話も聞かせていただきました。
それに続き、オイディプス3部作に至る後期講座全体を振り返っていただきました。


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旧居の庭では赤いサザンカ(山茶花)が一輪また一輪と、開花し始めています。
夏が過ぎて、しばらく花気が少なかった旧居の庭に、秋の深まりと共に、華やかな紅白の花が庭を飾ることとなります。
日々、さまざまな出来事がニュースを騒がせている昨今ですが、それとはまるで無関係に時は巡り季節は移ろっていくことを、この一輪の目覚めた花から感じさせられます。

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