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◇2019-09-17 (火)

志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会第5回《アルベール・カミュと母親 ----戯曲『誤解』を中心に》を開催

  • 志賀直哉旧居特別講座 白樺サロンの会第5回《アルベール・カミュと母親 ----戯曲『誤解』を中心に》を開催

9月16日(月)、奈良学園セミナーハウス志賀直哉旧居特別講座「白樺サロン」を開催しました。
今期第5回目となる今回のテーマは、「アルベール・カミュと母親 ----戯曲『誤解』を中心に」です。
講師には、関西学院大学教授・東浦弘樹先生をお迎えしました。


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まず、カミュの作品を理解するにあたって、彼がどのような人生を歩んできたのかを知ることが、重要であることを伝えられました。
アルジェで生まれた彼が、独立戦争後に故郷の選択を迫られたこと。ナチスドイツに対するレジスタンス活動への考え方。戦後のロシア革命などから影響された思想的背景。あるいはサルトルを始めとする哲学的論争。
その中で、作品に、一貫して大きな影響を与え続けたのが、母親の存在であることが紹介されました。まさに母親はカミュの文学的原点であると言えるそうです。


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カミュの母親に対するイメージを、作品や手記を追うごとに変遷していく様子を、あらすじを読み解きながら検証していきました。
『裏と表』では、母親の沈黙と無関心について、良し悪しの考察がありました。
『異邦人』では、無関心な母親の正当化がなされています。
そして『誤解』では、悲観的とも言えるストーリー展開の中から「なぜなら母親は沈黙の中でずっと息子を愛していたのだから」と言わしめ、小説を通して無関心な母親の根底にあるのは「愛」であると結論づけています。
さらに『ペスト』では、「母親と自分はいつまでも沈黙の中で愛しあっていくだろう」と、素晴らしい母親としてのイメージを論じていることが紹介されました。


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またカミュの作品を例に、キリスト教的考え方の特性や、歴史的な解釈についてのお話もしていただきました。


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旧居中庭のカエデの木下に、ヤブランが青紫の花を咲かせています。ヤブランは暑い季節や寒い季節を問わず、ほぼ年中、同じ姿を保っている植物です。あたかもカミュが、生涯を通して、母親にこだわり続けたように、周囲の風景の移り変わりに関わらず、ヤブランを愛でることができます。

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