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◇2019-05-14 (火)

奈良学園公開文化講座第30回「土器(須恵器と埴輪)を分析して、古墳時代を再現する」を開催

  • 奈良学園公開文化講座第30回「土器(須恵器と埴輪)を分析して、古墳時代を再現する」を開催
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  • 奈良学園公開文化講座第30回「土器(須恵器と埴輪)を分析して、古墳時代を再現する」を開催
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5月13日(月)、奈良学園セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、公開文化講座「土器(須恵器と埴輪)を分析して、古墳時代を再現する」を開催しました。
講師は鹿児島国際大学客員教授、奈良教育大学名誉教授の三辻 利一先生です。


三辻先生は、従来の考古学研究で行われていた土器の形の特性に基づいて年代別や地域別に分類する形状的分析だけではなく、地質鉱物学に基づいて、土器の素性に着目し、鉱物の含有物特性を分析することにより、より科学的な見地から研究し続けておられます。
例えば須恵器片におけるルビジウムとストロンチウムの含有量の差異や、カリウムとカルシウムの含有量の差異などについて、均質型分析(試験体を細かく均一に砕いで均質に混ぜる)を使って分析されています。
そうしたアプローチによる膨大なデータに基づいて、須恵器が現れた時代の土器の生産や流通の状況が明らかになって来たそうです。


さらに、素性の科学的データ分析から、日本各地に存在した豪族との連合政権であった大和政権が推古天皇の時代に大和朝廷による中央政権として確立したことついても、従来の歴史的仮説を科学的に検証することが可能になったことを話されました。


また、古墳から出土した埴輪からも、その作られた経緯や素性に基づく地域、流通経緯などについての研究成果について教えていただきました。


志賀直哉旧居の中庭の池を背景に、紫のアヤメが咲き始めています。アヤメの花言葉は「より良いメッセージ」です。
須恵器に隠された謎を、科学的な視点で分析し、そこからより科学的なメッセージを導き出し解明しようと試みる今日のお話のように、視点を変えれば見過ごしがちな些細な事柄からも、重要な意味が見出せるかも知れません。


次回は6月15日(土)に、根岸 章 奈良学園大学人間教育学部教授を講師にお招きし、「小学生と学ぶロボットプログラミング」をテーマに開催します。ぜひ、小学生のお子さんと一緒に楽しんでください。

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