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◇2018-09-21 (金)

志賀直哉旧居特別講座 2018白樺サロンの会第5回《銅像はだるまさんなのか》を開催

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9月17日、学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居において「白樺サロンの会(今期第5回目)」が、講師に美術史家で姫路市立美術館学芸員の平瀬礼太先生をお招きし、「銅像はだるまさんなのか」をテーマに行われました。


日本の銅像と言えば、かつては仏像が大半を占めていましたが、明治に入り、廃仏毀釈の影響で、その銅像モチーフは大きく変化したそうです。
特に、日本武尊や神武天皇、聖徳太子など天皇に関わる人物や、和気清麻呂、楠木正成など天皇を守ってきた人物が主なモチーフとなっていました。
また、西洋の銅像づくり技法を学ぼうと、最初に日本で開校した美術教育機関が「工部美術学校」であったということからも、銅像作りのための技術としての美術、産業としての美術に重点が置かれていたようです。


また、二宮尊徳の銅像が多くの学校に設置されたように、銅像は生活の中における、教育的機能を果たしていたようです。


ところが、第二次世界対戦を通して、多くの銅像が受難を受けたことが紹介されました。
戦時中は兵器づくりの素材として、全国の多くの特定の国家的な意味を持つ銅像以外は、非常回収されました。
また、戦後はGHQの指示により、戦争を煽るような銅像は廃棄されました。武将や英雄の銅像に代わって、同じ場所に、平和をテーマにした裸婦などの像が、全国に存在する理由のひとつがそこにあるそうです。
近年では、道路・鉄道建設など、経済的発展を優先することで、古くからあった銅像が撤去されるケースも多くなってきました。


最後に、海外における事例も紹介されました。
例えば社会主義・共産主義の崩壊など政変に伴ったレーニン像の破壊や、北朝鮮における巨大銅像づくり集団についてなど、興味深いお話をいただきました。
また、ウクライナにおけるレーニン像が、スターウォーズに登場するダース・ベーダーに差し替えられたことなどの話もいただきました。
銅像は倒すことで初めて注目を浴び、銅像の意味を知ることになるそうです。


星形に光るような真っ白なタマスダレの花が、ようやく秋風が吹く旧居の庭に咲いています。「便りがある」の花言葉は、ゼフィランサスの語源である「風」が便りを運ぶということでつけられたといいます。この場所に、いつも新しい知恵と知識の風が、訪れているようです。

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