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◇2018-07-23 (月)

近代文学講座 《文学表現の諸相》前期第4回を開催

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7月23日(月)、セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、「近代文学講座―文学表現の諸相―(前期4回目)を、植村正純先生(京大以文会会員)を講師に開講しました。


ここ奈良公園界隈も、35度を超える猛暑にもかかわらず、多くの方々にご参加いただき、5台の扇風機がフル稼働する中、講座が行われました。


今回も引き続き志賀直哉が奈良のこの邸宅で執筆を進めた『暗夜行路』の読み解きが行われました。物語もいよいよ後半に入り、主人公の環境的背景や、心的状況が、大きく変化する場面を迎えます。
まずは主人公の年齢と、執筆した志賀直哉の実年齢との相関について検証しました。長きに渡って執筆を重ねた『暗夜行路』の中の主人公の心情が、志賀直哉の人生と相応していることに着目しました。
また志賀直哉の小説は、物事の推移を物語として展開する客観的な人物表現ではなく、心の展開を主観的な表現で織り込むことにより主人公の同一性を描く「心情心理小説」であることを教わりました。
主人公が出会った女性の乳房についての表現について、参加者から、甘えさせてもらえる母性の象徴であるなどの意見が出されました。それに対して植村先生から梶井基次郎の『檸檬』に登場する、レモンの触感や重みの象徴を例に、表現の象徴性についてお話をいただきました。


旧居の庭の池には濃い桃色のハスの花が咲いています。蕾の上に佇むトンポが印象的でした。ハスは汚れた泥の中から天に向かって蕾を伸ばし、清らかな花を開花させることから、苦節や迷いの人生も、正しい道を歩み続ければ、やがて安らぎが訪れることを象徴しています。『暗夜行路』の主人公も、放蕩生活から後半になって理想的な家庭生活を開花させます。そのままでは終わらない終盤の成り行きが気になるところです。


次回の講座は8月27日(月)に開催予定です。『暗夜行路』についての講座も、最終回を迎えます。安らぎを得た主人公は、終盤でどのような人生が待ち構えているのか、この小説全体を通して、志賀直哉が伝えたかったことは何かなど、解き明かしていきます。

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