◇2018-06-21 (木)
6月21日(木)、志賀直哉旧居特別講座 2018白樺サロンの会第2回「柳宗悦と志賀直哉の美―世界における文化として―」を開催しました。
講師は建築史家の呉谷充利先生です。柳宗悦と志賀直哉の二人に共通した美意識について、美術品を通して解説しました。
『自分の国が一番優秀』というナショナリズムが根底にあると、文化への理解は進みません。
そんななか、明治以降に日本に入ってきた西洋文明が日本人にとって難解で、外発的な部分以外に心の中に生まれた影響などについて述べられました。
また、同じヨーロッパでもドイツが文化至上主義であるのに対し、地中海文明の後継者という意識が強いフランスは文明を重視します。そして、それらの両方の概念を一つにまとめて取り入れたのが、柳宗悦と志賀直哉でした。後半はスライドで器や絵画などの美術品を紹介しながら、その点について解説しました。興味深い文化論だったのではないでしょうか。
この日は雨上がりで、庭園がしっとりしたうるおいを漂わせていました。講座に限らず、お越しいただいた皆様方に美しい風景を楽しんでいただけたと思います。