◇2017-09-18 (月)
9月18日(月)、セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、特別講座「白樺サロンの会」を開催しました。
今回のテーマは「アルベール・カミュの『転落』を読む」です。
関西学院大学教授の東浦弘樹先生に講師を務めていただきました。
講座はまず東浦先生の自己紹介から始まりました。フランス留学時代の思い出や趣味の演劇について話した他、カミュを研究した自身の著作なども紹介されて、受講者の方の関心を呼びました。
そして、次はカミュという人物について、生い立ちや作風、社会的評価などを説明。日本の作家ほど情報が多くない海外の作家について、詳しく知る機会は貴重です。
今回のテーマである「転落」は主人公の男がバーで出会った初対面の人間に、延々と自分の告白を聞かせる物語。これから読む人のために、すべての内容は明かさず、かつ物語の醍醐味を教えてくれる流れとなりました。
「カミュは難しいと思い、まだ挑戦していなかったのですが、先生の話がわかりやすく、読んでみたいと思いました」と受講された女性。小説は作者や作品の背景を知ることで、理解が深まります。
志賀直哉旧居は志賀直哉がかつて9年間、暮らした場所です。講座にお越しいただいた皆様には、庭の風景もぜひ楽しんでいただけたらと思います。今は豊かに実った柿や可憐なタマスダレの花、薄っすら色づいた紅葉などが目立つ季節。これから本格的に秋が深まり、いっそう魅力をたたえる場所になります。