◇2017-08-21 (月)
8月21日(月)、セミナーハウス・志賀直哉旧居にて、特別講座「白樺サロンの会」を開催しました。
今回のテーマは「森鷗外と奈良――森鷗外『奈良五十首』をめぐって」です。講師は奈良女子大学准教授の吉川仁子先生です。
「奈良五十首」は大正7年から11年にかけて、帝室博物館総長として毎年奈良の地を訪れた鷗外が連作の形で発表した近代短歌です。正倉院や東大寺、元興寺址といった奈良の地について詠んだ歌の他、途中で通過した京都を取り上げた歌などもあり、鷗外の軌跡を知ることができます。
講座は五十首を印刷したプリント教材以外に、スクリーンなども活用して、わかりやすく各首を説明。歌を理解するのに役立つ書籍の案内や、子煩悩な面など鷗外の人柄に触れるエピソードも登場し、文豪の日常を身近に感じていただけたと思います。約30名の参加者の方たちは吉川先生の言葉にじっくり耳を傾けられていました。
庭に四季折々の草花が咲く旧居ですが、今は暑さの盛りで花は少なめ。その中で、刺すような陽射しに負けず、愛らしいピンク色の花を咲かせていた、さるすべりの木に目を留めた方もいたかもしれません。
次回の白樺サロンは、9月18日(月・祝)テーマは「アルベール・カミュの『転落』を読む」です。
(お申し込みは→ http://kokucheese.com/event/index/458081/)
興味のある方はぜひご参加ください。