◇2017-03-13 (月)
本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居において、連続講座「古典講座」を開催しています。講師には、元奈良学園高校教諭・吉村治彦先生をお迎えしています。
本講座では、毎回テーマに沿って、百人一首の和歌を学んでいますが、後期第3回目となる今回は、「春夏秋冬...! 色とりどりの四季を"堪能する歌"」をテーマに講義が行われました。
古の人々は、どのような季節感を持っていたのでしょうか。先生は、最初に『枕草子』の冒頭を紹介されました。四季それぞれに良さ、美しさがあり、日本人は四季おりおりの風情を大切にしてきました。
百人一首にもそれはよく表れており、全100首のうち3割、32首が春夏秋冬をテーマとしています。春夏秋冬を分けてみてみると、もっとも多く詠まれているのは、やはり秋。「紅葉」「月」「秋風」など、素材も豊富であり、また美しさとともに寂寥感を感じる秋の歌は多彩ですね、と先生は解説されました。
「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり」(能因法師)
「み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり」(参議雅経)
奈良のことが詠まれた歌も紹介され、受講生の皆さんも、歌に詠まれた風情を感じておられました。
お水取りも終わり、春がそこまで来ています。モノトーンだった旧居の庭には、梅や水仙などが花を咲かせ、草木の若い緑も少しずつ見えてきています。