◇2016-11-28 （月）
本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居において開催している「近代文学講座」。講師に、京都大学以文会会員・植村正純先生をお迎えし、近代文学における「文学表現の諸相」を学んでいます。
今回は後期第２回目。前回に引き続き、阿刀田高の作品を読みました。まずは、前回からの『闇彦』のまとめ。阿刀田の自伝的小説とされる本作品で、作家は小説の意義を述べています。２つ目は『ギリシャ神話を知っていますか』。本作品は、小説ではなく、ギリシャ神話に対する氏の解説文です。神話の世界は、壮大でありながら、一方で人情味の溢れるものが多い。それは、日本神話にも多く見て取れる、との先生のお話に受講生の皆さんも頷いておられました。
３つ目の作品は『地下水路の夜』。ひとりの青年が読書の世界でどのように成長したかを描いた作品です。小説の中において、現実と夢が交錯する作品ですが、阿刀田は、この作品のなかで、今私たちの生きる現実世界へ鋭く斬り込んでいます。文中には、志賀直哉の作品も登場。一気に、作家が身近に感じられました。
旧居の玄関には、ダイヤモンドリリー。目の覚めるような鮮やかなピンク色が訪れる人を出迎えています。
志賀直哉旧居HP http://www.naragakuen.jp/sgnoy/
