◇2016-10-24 (月)
9月24日、本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居において、「近代文学講座」後期第1回の講義が行なわれました。
講師は、京都大学以文会会員・植村正純先生。
テーマは、近代文学における「文学表現の諸相」です。
本講座は全5回。阿刀田高、立原正秋のほか、海外の作品にも目を向け、ポール・ギャリコなどの作品も取り上げられる予定です。
今回の講義では、阿刀田高の『闇彦』を読みました。阿刀田高は、短編を多く手がける小説家。また、ギリシャ・ローマの神話や、古事記などに絵がれた日本の神話などにも造詣が深く、作品のなかにもよく登場します。『闇彦』は、作家の自伝的小説です。
講義では、先生の解説にそってまず、『闇彦』のあらすじを追いました。この作品のなかで、阿刀田は「ストーリーを好む人間の歴史と背景」「文学の意義」「審査の世界への誘い」の3点を描こうとしたのではないかと述べられました。
次回からは、本編に入っていきます。
秋の清々しい青空のもと、旧居の庭の金木犀がたくさんの花を咲かせています。ひんやりとした風に乗って、花の香りが感じられました。