◇2016-10-10 (月)
本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で「古典講座」の後期第1回目の講義が行われました。今期のテーマは前期に引き続き、「小倉百人一首」。講師には、元奈良学園高校教諭・吉村治彦先生をお迎えしています。
本講座では、テーマに沿って選ばれた和歌が解説されます。今回のテーマは、「恋を失った時...! 涙と共に"味わう"歌」。和歌の詠まれるシチュエーションの代表格ともいえる「失恋」が取り上げられました。今回の講義でとくに先生が注目されたのは、男性の失恋。
「契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは」
変わらぬ愛を誓い合った女性の心変わりを悲しんだ清原元輔の"恨み節"をはじめ、振られた時の"失恋ソング"のような歌、一向に振り向いてくれない女性への哀れな男心を歌ったものなど、さまざまな歌が講座では紹介されました。「情けなくも、愛おしく感じる男心ですね」と先生。今も昔も変わらない心の歌に、受講生の皆さんもうなずいておられました。
祝日だったこともあり、旧居には多くの人が訪れていました。玄関先にはアブミの実。秋晴れの爽やかなひと時でした。