◇2016-08-08 (月)
本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居にて、「古典講座」の前期第4回が行われました。今期のテーマは「小倉百人一首」。講師は、元奈良学園高校教諭・吉村治彦先生です。
本日のテーマは、「百花繚乱! 宮廷女房の華やかな"知性薫る歌"」。百人一首の100首のなかで、女性による歌は21。講座のなかでは、そのうち11首が取りあげられました。女流歌人たちは、いずれも恋多き人たちばかり。知性豊かにその情感を詠んでいます。
いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな
伊勢大輔の歌です。
奈良から届けられる八重桜を受け取って帝へ渡す役目を紫式部から命ぜられた伊勢が、その際に即興で詠んだと言われています。「いにしへ」と「けふ」、「八重」と「九重」など、ことばの照応や連鎖が巧みに用いられた知性溢れる一首です。
講座では、それぞれの詠み手の人物像や、歌の詠まれた背景が、現在の地図などを用いながらていねいに解説されます。説明を聞いていると、平安歌人たちをより身近に感じることができました。
前日が立秋でしたが、まだまた暑い日が続いています。庭の百日紅を眺めていると、ツクツクボウシが鳴いているのが聞こえました。秋はすぐそこまで来ているのかもしれません。