◇2016-07-25 (月)
本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居では「近代文学講座」を開講しています。講師は、京都大学以学会会員・植村正純先生。夏目漱石らの作品を題材に近代文学における「文学表現の諸相」を学んでおり、今回は前期3回目の講義が行なわれました。
今回取り上げられた作品は、前回に引き続き『三四郎』です。美禰子の言動に振り回される、田舎出身の青年・三四郎の様子を、駆け足ながら楽しく読みました。また、作中の人物たちの言葉として語られる漱石の思いや意見は、現在の私たちが読んでもハッとされられる部分が多く、先生は「それぞれの感じ方でよいのですよ」と、よくわかる部分をていねいに解説されました。
今回の講義で読んだ部分は、前回読んだ部分の応えとなっていました。緻密、精細に組み立てられた文章に、あらためて文豪と呼ばれる所以を感じます。
次回は、『三四郎』のまとめ、そして『道草』へと作品をかえます。「しっかりと読んできてくださいね」と講義は和やかに締めくくられました。
大暑も過ぎ、暑い夏の日。講座は10時からですが、日陰の朝顔はまだ花を開いていました。