学校法人奈良学園

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◇2016-05-16 (月)

白樺サロン特別講座「志賀直哉と奈良−『暗夜行路』完成に向かって−」を開催しました

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本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で、特別講座「白樺サロン」を開催しました。
この講座は、旧居のある高畑界隈の文学や芸術に残る貴重な遺産を継承すべく発足した「白樺サロンの会」会員を講師に迎えて行う文化講座で、毎年8回行っています。

前期第1回目となった今回のテーマは、「志賀直哉と奈良−『暗夜行路』完成に向かって−」。
奈良女子大学名誉教授・弦巻克二先生にお話しいただきました。

志賀直哉の代表作のひとつ『暗夜行路』は、17年を費やして完成された直哉唯一の長編作品。17年の間に直哉は、何回も執筆を中断します。そして、のちにこの作品について日記のなかで「八分通りの出来」と書いており、自身も満足しているようです。先生は、執筆期間中の作家の心の変化について、他のさまざまな志賀直哉の文章を見ながら考察されました。

先生が注目されたのは「無道徳の美しさ」です。
執筆の中断の大きな原因の一つとして、妻の過失が挙げられます。それに対して作家はどう考えたのでしょう。『暗夜行路』を中断して執筆した『雨蛙』について述べた文章のなかで作家は「自分は無道徳といふ事にはある種の美しさがあると思ってゐる」「赦せるのである」と述べています。意識的でない心の動きには強さがあり、また美しさがあると考えたのではないか、と先生は述べられました。

講義の最後には、夏目漱石との類似点も紹介されました。今期の「白樺サロン」では、志賀直哉も数回取り上げられますが、漱石についても講座があります。「ぜひ、いろいろな見方を楽しんでみてください」と先生は講義を締めくくられました。

庭の緑が色濃くなってきました。ツツジの花もいよいよ終盤です。

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