◇2015-09-21 (月)
シルバーウィーク真っ只中の9月21日、本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居において、特別講座「切手に採用された美術品」を開催しました。講師は大阪教育大学名誉教授・梁瀬健先生です。
国の文化を象徴するものの一つ、切手。なかでも美術品が描かれた切手はそれ自身が美術品だといっても過言ではありません。今回の講座では、数多くの美術品のなかから切手のデザインに選ばれたものを解説。それぞれの美術品の優れた点の解説はもちろん、切手にする際に作品の核心の部分がカットされてしまった「エラー切手」なども紹介されました。
同じ美術品が描かれた切手とポストカードをセットにして便りを送るという楽しみ方も教えていただきました。ポストカードは美術品を所蔵する美術館のミュージアムショップなどで購入することができます。切手とペアにして送る際には、せっかくの切手の上に消印が押されてしまわないよう窓口で申し出るようにとのアドバイスに、受講生の方々もにっこりと笑顔でうなずいておられました。
また、単なる消印ではなく、その土地を象徴する図柄が彫られた風景印のなかにも美術品がデザインされたものがあります。先生は、菱川師宣の美人画「見返り美人図」のポストカードに、同じく「見返り美人図」がデザインされた切手、さらに「見返り美人図」があしらわれた風景印を押した実物を見せてくださいました。
切手で相手を楽しませる方法も伝授していただきました。富士山の切手と鷹の描かれた切手、ナスの描かれた切手を並べて「一富士、二鷹、三なすび」を表現したり、「石舞台古墳」の切手の上に3円切手を貼って「石の上にも3年(円)」としたり...。これには受講者の方々も思わず吹き出していました。
講座のなかで使われた同じ図柄の切手とポストカードのセットは、先生から受講者の皆さんへプレゼントされました。皆さんそれぞれに手にしたポストカードと切手を見比べながら先生の解説を振り返っておられるようでした。
お彼岸の一日、旧居の庭にも紅色の彼岸花が一輪、花を咲かせていました。