◇2015-09-27 （日）

特別講座「志賀直哉旧居の復元工事のおもしろさ」が開催されました。

本学園のセミナーハウス・志賀直哉旧居で、特別講義「志賀直哉旧居復元のおもしろさ」が行われました。今回の講師は旧居の改修・復元工事に携わった、株式会社山本工務店（桜井市）の9代目棟梁・山本吉治氏です。多くの方に参加いただき、定員の40席は満席状態。山本棟梁による改修・復元工事にまつわる貴重なお話を伺った後、実際に旧居内を見学して回りました。

最初に上嶋館長が挨拶し、昭和初期に直哉本人が設計して昭和13年まで家族と共に暮らし、暗夜行路もここで完成させたなど志賀直哉旧居の歴史を説明しました。その後進駐軍将校の住居、厚生省厚生年金宿泊施設として改築・利用された後、市民による保存運動の声を受けて昭和53年に奈良学園が買収・保存。一家が住んでいた在りし日の姿に戻そうと平成20年に復元修復工事が着工された経緯を語りました。

続いて山本棟梁がスライドで現場の作業を振り返りました。土台の傷みが激しかったため、まず床組をやり直す上げ舞工事から開始。そして2度の改築で変貌した間取りや設備を一つひとつ検証・復元していく作業についてお話いただきました。相愛大学の呉谷充利教授と共に建物に残る痕跡や残された資料を手がかりに元の姿を解き明かしていく作業は、大変だったけれど非常に面白かったとおっしゃっていました。